【入れ歯に保証期間はありますか?】

入れ歯の破損で一番多いのが、歯茎と粘膜に接している床(しょう)の部分です。
入れ歯を支えるあごの骨が痩せることによってズレが生じて力の掛かり具合が変わってしまい、薄い部分が割れてしまいます。
そのほか、バネや人工歯が破損することもあります。

破損してしまった場合には無料で作ってくれれば嬉しいことですが、保険診療の入れ歯の場合には基本的には保証はされません。
逆に自費診療の入れ歯の場合の保証期間は歯科医院によって異なりますが、硬い食べ物を噛んだり、落下させて破損したり、紛失したり、ほかの歯のために作り替えるための場合は保証が効かない場合があるので気を付けてください。

入れ歯は高価になればなるほど大切なものなので、治療計画が決まった段階で、保証に関する説明を受けて、書類を発行してもらいましょう。

【入れ歯にしたのに硬いものが食べられない!】

硬いものを噛んで痛くなってしまうのは、上下の噛み合わせが合っていないため、歯茎と入れ歯の間に食べ物の欠片が挟まっているからです。
これはしっかり調整をすれば、入れ歯で硬い食べ物を食べることも可能になります。

ただし「何でも噛める」入れ歯が良いのかというと、そうとは限りません。
入れ歯で硬いものを食べることによって、歯茎の粘膜を痛めてしまいます。

お煎餅のように硬いもの以外にも、ニラ、ネギ、アワビの刺身、イカ、タコなど噛みづらいものも入れ歯では食べにくいと言われています。

食べ物の嗜好は人それぞれなので、好物が美味く食べられないことに不満を感じられることもあるでしょう。
大事なのは満足のいく食生活を送ることですので、不具合を感じたら歯科医師に相談をして、入れ歯の調整をしてもらってください。

【寝たきりの人でも入れ歯・差し歯の治療は出来ますか?】

歯科医師や歯科衛生士に介護施設や自宅を訪問してもらって、入れ歯・差し歯を作ってもらったり修理をすることは可能です。

寝たきりのお年寄りの中には長い間入れ歯すら入っていない方が多く、あごの骨が痩せてしまい歯型を取ることが難しくなってしまいます。
なお、介護する人の手助けがないと入れ歯の取り外しが出来ない場合には、あまりきつくせず、形も複雑にならないように考えて作られ、歯型を取る場合には歯科技工士が同行することもあります。

噛むことが出来るということは、脳への血流を良くし、脳の働きを活発化させることに繋がり、食べ物を食べることが出来る喜びを取り戻せば、寝たきりが解消されることもあります。

こちらは健康保険が使えますし、生活保護を受給している人や障害を持っている人など、各種助成を受けている人も治療が受けられます。

【入れ歯だと美味しく食事が出来ません】

入れ歯は人工物なので慣れるまでの間は、異物感が強く味覚にまで影響を及ぼすこともあります。
味覚を感じるのは舌ですが、あごの粘膜で食べ物を味わう時の触感や温度を感じています。

しかし、最初は美味しくないと思っていても、だんだん慣れてくるものなので「入れ歯は嫌だ!」と思わずに前向きな気持ちで使ってみましょう。
それでも気になる場合には、どのように美味しくないのかをきちんと症状を説明して歯医者さんの意見を聞きましょう。

一般的に保険が適用されるレジン床義歯よりも、自由診療の金属床義歯の方が薄くて強いため覆う粘膜が小さくでき、食事が美味しく感じられると言われています。義歯床がシリコンで出来た入れ歯や金属のバネのある入れ歯、床に目に見えない細かい穴が開いた入れ歯もありますので、歯科医師に相談してみましょう。