【それ歯周病かも? 子どもの口が臭いです!】

口臭の原因は虫歯の進行や歯周病ですが、子どもの場合は副鼻腔炎や膿栓など病的口臭の全身由来から口臭がする可能性を疑ってみましょう。
歯科医院で口の中を診てもらって問題が無ければ、耳鼻咽喉科を受診してみてください。

また、子どもは歯の生え始めや永久歯への生え変わりの時期は、歯が歯ぐきを溶かして永久歯が生えているので口臭がする時がありますが、これは歯科を受診する必要はありません。
大人に比べて唾液の分泌量が多いので、基本的に口臭はしません。ただし、食べ物の影響を受けやすいので、嗅いが強い食べ物を食べたかを確かめてみましょう。

ですが、子どもに対して「口が臭い」とは言わないようにしましょう。この一言で大人になっても口臭を気にされる方がいらっしゃいます。

【口臭の強さに体質は関係ありますか?】

生まれつき口臭の強弱で体質に影響を及ぼすことはありません。

しかし、口臭の原因である舌苔が付きやすかったり、歯周病になりやすい体質があります。
まず舌苔は、新陳代謝で剥がれ落ちた粘膜の上皮細胞が元になっているので、新陳代謝が早い人が舌苔が付きやすいと言われています。

歯周病菌は口の中の細菌の種類が家族間で似ているので、親が歯周病になると子も歯周病になる可能性が高いです。
食習慣は家族間で引き継がれやすいもので、ニンニクや玉ねぎなどに含まれているシステインや、豆類に多いメチオニンは、硫黄系アミノ酸と言って口臭の原因となる成分です。

【口臭のガスの濃度はどうやって測定するんですか?】

一般の歯科医院には簡易口臭測定器が普及されています。
簡易型ガスクロマトグラフィーの「オーラルクロマ」は、VSCを3種類のガスに分けて測定出来る優れモノです。
「ガスクロマトグラフィー」という精度の高い測定器もありますが、かなり大きな装置なので一部の大学病院にしか置いてありません。

硫化水素が多い舌苔、メチルメルカプタンならば歯周病、ジメチルサルファイドであれば全身性の疾患の可能性があります。
検査方法は30秒間注射器の筒をくわえてもらい、中に入った内の0.5mlを機械の針に刺して注入すれば、あとは機械が全てやってくれます。約8分待てば結果が印刷されます。

【口臭はどの医院で診てもらった方が良いですか?】

口臭の9割以上は口の中に原因があるので、まずは歯科医院に行きましょう。
ただし全ての歯科医師が口臭に詳しい訳ではありませんので、大学病院の口臭外来に行ってみましょう。

現在は歯学部や口腔外科がある病院の中には「口臭外来」も併設されています。
大学病院では一定以上の検査体制も整っており、診断してもらってからの適切な治療方法も望めます。

開業医でも口臭に詳しくて精度の高い検査機器を導入している医院もありますが、口臭は心理的な問題が絡んでくるため、患者さんの気持ちに付け込んで莫大は治療費を請求してくる歯科医師もいるので気を付けましょう。

そのため前者の大学病院に行かれる方が無難です。
専門的に口臭を扱う大学病院が見つかったら、多少家から遠くても足を運んでみてください。

【キスをすると口臭はうつりますか?】

口の中の細菌はキスによって移るので、キスをした相手から歯周病原菌などの細菌をもらってしまうことはあります。
なので、相手の口の中に細菌をあげてしまわないようキスをするのであればご自身の口腔内をしっかりとケアをしましょう。

2001年にライオンがニューヨークのマンハッタンと東京で、会社員の口腔保険について調査をしました。
マンハッタンでは約8割が1年に1回以上、歯科検診を受けているのに対し、東京では6割以上が歯科検診に行っていませんでした。

口臭は移りませんが、口臭の原因である歯周病原菌は移ってしまうので、キスをするときは日ごろのケアを大事にしましょう。

【おならを我慢すると口臭が強くなるんですか?】

口臭の原因の9割以上は口の中にあります。
ゲップをした時に口から胃の空気が出ることはあっても、胃の病気で口臭が強くなる事はありません。

では何故胃の空気が出て口臭が強くなることは無くて、おならを我慢すると口臭が強くなってしまうのでしょうか?
おならは小腸で吸収しきれなかった食べかすが大腸の腸内細菌によって分解されるときに発生する二酸化炭素やメタンや硫化水素などのガスが肛門から排出されたものを指します。

おならを我慢すると血液中に入るガスが増えてしまい、これが肝臓の処理能力が上回ってしまえば、臭いが残った状態で肺から出てしまい、口臭が強くなってしまいます。
腸内ガスを増やす原因は便秘なので、おならを我慢すれば口臭も強くなってしまいます。

【ストレスと口臭は関係ありますか?】

緊張して口の中が乾いてしまった時ってありませんか?
逆に、気持ち良く寝ている時によだれを垂らしてしまったことはありませんか?

唾液腺は自律神経の支配を受けているので、自分の力で唾液分泌をコントロールさせることが出来ません。
自律神経には、緊張をすると活動が活発的になる「交感神経」と、リラックスをした時に優位になる「副交感神経」の2種類があります。

緊張や不安などでストレスを感じている時には、交感神経が強く働いて、たんぱく質を多く含んだネバネバした唾液が少ししか出ないので口が乾いてしまいます。
唾液が減ることによって口の中が乾き、結果口臭が強くなります。

【口臭は加齢による影響はありますか?】

成人は1日に唾液を1.5リットルも分泌しているって知っていましたか?
しかしこれは成人の話で、年齢を重ねるにつれて唾液腺が委縮してしまうため70歳以上になると20歳代の約4割しか唾液が分泌されなくなってしまいます。
唾液には、口の中の抗菌作用や浄化作用があるので、分泌量が少なくなれば自浄作用が低下して、結果舌苔や歯垢がついてしまいます。抗菌作用が低下すれば最近も増殖するので、口臭物質を作る環境が出来上がってしまい、臭いが強くなってしまいます。

高齢者の場合は唾液の分泌量が減るほかにも、病気や薬の副作用が重なって口腔内が乾いてしまうケースも多いです。
また、口の中が乾いたことによって、食べ物が食べにくかったり、会話がしづらかったり、口の中で傷が出来やすくなった場合には「ドライマウス症候群(口腔乾燥症)」の可能性もありますので、気になったら歯科を受診しましょう。

しかし、口臭は高齢者全員が悩んでいるものではありません。
よく噛んで食べれば唾液腺の委縮が進行しにくくなるし、口の周りの筋肉の運動にもなりますので、健康のためにも習慣づけましょう。

【口臭にはどんな病気が隠されていますか?】

口臭は生理的に起こってしまうものなので、誰にでも起こることですが、第三者が不快に感じ取られたら口腔内に何か原因が生じているのではないかと考えましょう。

口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類に分けられます。
まず生理的口臭は、原因となる病気が見当たらないものです。口臭で悩む患者さんの約3分の1は生理的口臭に当たります。

続いて病的口臭です。
病的口臭には「口腔由来」と「全身由来」に分けられます。

まず口腔由来から説明します。
口腔由来のほとんどが歯周病です。ほかにも唾液分泌の減少や、入れ歯の清掃不良、虫歯の進行が挙げられます。
歯周病は口臭の2大原因のうちの1つと言われています。

次に全身由来です。
全身由来は、鼻や喉の病気、呼吸器系や消化器系、糖尿病など全身的な病気が関係していますが、大部分は口腔内にも原因があると言われています。

【朝起きたら口が臭いです!】

朝起きた時に口の中がネバネバしていた経験は誰にでもあると思います。
睡眠中は唾液分泌が減っているので、細菌が増殖して口の中が汚れているのが原因です。

口臭の原因である「揮発性硫黄化合物(VSC)」も睡眠中にたくさん作られています。なので、起きた直後が1日の生活の中で最も細菌が多いですが、これは食事や歯磨きをすれば細菌が減って刺激を受けるので、唾液も分泌されて口臭が弱くなっていきます。
口臭の強さは口の中の細菌の量や汚れの程度、唾液の量で変わってきます。

このような生理的口臭は誰でも起こりうることです。