【歯磨き粉や洗口剤で口臭は治りますか?】

口臭を改善するには、口の中の細菌を減らすことが大事なので、歯磨きやうがいが大事です。
薬局などでも様々な歯みがき粉や洗口剤が販売されており、その多くは「口臭の防止」という効果が挙げられています。

歯磨き粉や洗口剤に求められる性質は3つです。
1つ目は口の中の細菌を殺菌・消毒する作用。
2つ目は口臭の原因である揮発性硫黄化合物(VSC)の産生を抑制する消臭作用。
3つ目は悪臭を覆い隠すマスキング効果です。

殺菌や消毒の成分が含まれていれば「口臭の防止」と表現出来てしまいます。そのため、ほとんどの製品で「口臭の防止」と謳われていますが、人間を対象にした試験で有効性が確かめられた訳ではありません。

効果が認められた成分が配合された製品はごく一部なので、薬局で売っているものは少ないです。

【市販の歯磨き粉で歯は白くなりますか?】

ある程度の着色汚れであれば落とすことが出来ます。

通常の研磨剤が入った歯磨き粉であれば、ある程度の歯の表面の着色汚れを落とすことが出来るので、歯の本来の白さに近づけることが出来ます。試しに1ヶ月間、研磨剤が配合されていないタイプの歯磨き粉で歯を磨いてみてください。

ヤニ取り用のタイプは研磨剤の粒子が大きく即効性がありますが、頻繁に使うと歯の表面に傷がつく恐れがありますので週1回程度の使用にとどめておきましょう。
研磨剤を含んでいない美白歯磨き剤も多数登場しています。例えば、ヤニなどの脂溶性の着色汚れを効果的に溶かす成分や着色汚れを吸着しやすい成分を配合しているタイプです

フィチン酸が配合されているタイプは、歯の表面の着色汚れだけでなく、内部の沈着汚れにも作用するため加齢による歯の黄ばみにも効果があると言われております。

【薬用の歯磨きや洗口剤は歯周病に効きますか?】

効果はあっても穏やかなので、補助的に使うと考えましょう。

「歯周病予防」を謳っている歯磨き剤は、歯垢を分解する酵素や歯周病の原因菌の増殖を防ぐ成分が入っていることが多いです。しかし「一般的にそうした歯磨き剤は有効な成分が入っていても、効果が穏やかな医薬部外品なので薬物の効果はあまり期待できない」と東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学の和泉雄一教授は語ります。

一方で洗口剤は殺菌効果や口臭予防効果が期待出来ます。ただし使い過ぎると口の中が乾燥して口臭がすることがあります。

歯を磨いているのに歯周病が進む人は歯磨き剤に頼りすぎていることが多いかもしれません。歯ブラシだけで丁寧に磨いて、最後に歯磨き剤を少し使って丁寧に磨くのがブラッシングの基本だと覚えておきましょう。

【塩入りの歯磨き粉って歯周病に良いのですか?】

若干の殺菌効果や唾液分泌の効果はありますが、大きな期待をするのは禁物です。

ご高齢の方にお話を伺うと「昔は歯磨き粉が無いときは塩で歯を磨いた」と言います。
現在でも塩の入った歯磨き粉はインターネットの口コミや掲示板で見ても歯周病対策として使っている体験談や、塩入り歯磨き粉の使用を薦める書き込みが多くみられます。
実際、塩には若干の殺菌効果や唾液の分泌効果があると言われております。水分を吸収するため、歯肉が引き締まっているように感じられます。しかし、塩自体に歯肉の血液循環を良くしたり、歯周病を改善する作用は無いと言われております。よって粗塩で磨くと、かえって歯ぐきを傷つけてしまう原因になってしまいますので、大きな期待はしない方が良いでしょう。