【飲んでいる薬や持病は申告した方が良いですか?】

当院では初めて歯科医院に掛かるときには問診票を記入をお願いしております。
問診票は、どういう目的で来院されたのかを質問するだけでなく、これまでの病歴や現在服用している薬を記入する欄もあります。

患者さんから情報を得ることで治療方針を検討することもあります。
これまでの病歴や現在服用している薬が治療に危険が伴うこともあるので、問診票にはどんな病気や薬であっても必ず記入をお願いします。

特に肝炎やHIVのウイルスは血液などの体液を介して感染するため、治療に携わる者は感染のリスクに関わります。よって申告しないで治療をすると医療者が感染する可能性が高まります。
感染対策が不十分な医院だと、医療者だけでなく患者さんにも感染する可能性があります。

医療者はどんな患者であっても差別なく治療しなければならない責務を負っておりますので、感染症持ちであることを申告して不利になることはありませんので、この点をご理解とご協力のほど宜しくお願い致します。

【口臭にはどんな病気が隠されていますか?】

口臭は生理的に起こってしまうものなので、誰にでも起こることですが、第三者が不快に感じ取られたら口腔内に何か原因が生じているのではないかと考えましょう。

口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類に分けられます。
まず生理的口臭は、原因となる病気が見当たらないものです。口臭で悩む患者さんの約3分の1は生理的口臭に当たります。

続いて病的口臭です。
病的口臭には「口腔由来」と「全身由来」に分けられます。

まず口腔由来から説明します。
口腔由来のほとんどが歯周病です。ほかにも唾液分泌の減少や、入れ歯の清掃不良、虫歯の進行が挙げられます。
歯周病は口臭の2大原因のうちの1つと言われています。

次に全身由来です。
全身由来は、鼻や喉の病気、呼吸器系や消化器系、糖尿病など全身的な病気が関係していますが、大部分は口腔内にも原因があると言われています。

【他の病気があると歯周病になりやすいのですか?】

糖尿病は危険因子の1つで、歯周病との悪循環に気を付けましょう。

糖尿病の人は歯周病になりやすく重症化しやすいと言われております。糖尿病の場合は、高血圧が続くと血流が悪くなり、全身の細胞に酸素と栄養が送られなくなって体の抵抗力が低下してしまいます。そのため血管の細胞はもろくなってしまい、ちょっとしたことで傷がついて炎症を起こしやすくなってしまいます。口の中も同じように抵抗力が落ちているため、歯周病菌に感染しやすく血管ももろくなっているのですぐに歯ぐきが炎症を起こしてしまいます。このため糖尿病の人は歯周病になりやすく重症化しやすいのです。
さらに、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいので、糖尿病があると歯周病になりやすく、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいという悪循環なので、糖尿病の方は歯周病のケアには気を遣いましょう。

【歯周病があると他の病気になりやすいのですか?】

メタボリックシンドローム、いわゆるメタボなどの生活習慣病のリスクが高まります。

以前から、歯周病菌は血液中に入り込んだり喉から飲み込まれるため全身の病気との関連が指摘されています。近年明らかになってきたのは歯周病から糖尿病や肥満、動脈硬化などのメタボリックシンドロームに関係する生活習慣病のリスクを高めます。
メタボリックシンドロームの元凶は、おなかの中に脂肪がたまる内臓脂肪です。歯周病で強い炎症を起こしている歯周組織に多量に存在している炎症物質のTNF-αは内臓脂肪からも分泌されるので、歯周組織にあるTNF-αが血液中に流れ込むと内臓脂肪が分泌されるTNF-αに上乗せされてメタボリックシンドロームがさらに悪化すると考えられています。
またTNF-αは血糖を処理するインスリンの働きを低下させてしまうので、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいことも分かっています。歯周病菌は血管内に入って血管壁に付着すると動脈硬化が始まると言われております。実際に動脈硬化のある冠動脈から歯周病菌が発見された報告があるので気を付けましょう。